$1=100円とテクニカル分析上のジンクス

みなさんこんばんは。

最近為替が$1=100円を前に足踏みしているわけですが、
このような「切りの良い数字」のことを英語ではround numberといいますよね。

10,20,50,100,1000などはいずれもラウンド・ナンバーの例です。

テクニカル分析では「ラウンド・ナンバーに、気をつけろ」
ということがよく言われます。

テクニカル分析のバイブルと言われる、
『Technical Analysis of the Financial Markets』
を書いたジョン・マーフィーは同書の中でこの点を次のように説明しています:

There is a tendency for round numbers to stop advances or declines.
ラウンド・ナンバーは価格の上昇や下落を、そこで喰いとめる傾向がある

マーフィーは金価格の歴史を引用して、これを説明しています。

ゴールドの1982年の弱気相場はちょうど$300が安値となりました。
その後1983年の第1四半期にかけて$500を僅かに超えたところまで戻しましたが、
息切れして反落、今度は$400まで押し目を作ります。

次に反騰に転じた際は$500でもうそれ以上、上に行けなくなってしまいました。

1990年から1997年にかけては$400の壁に苛まされて、
全てのブレイクアウトの試みが失敗しています。

マーフィーは「ラウンド・ナンバーに指値を置くことは避けろ
とアドバイスしています。

例えばラウンド・ナンバーが下値支持を提供するような場合、
多くのトレーダーがラウンド・ナンバーに買い指値を用いるので、
その買い指値は入らないケースが多いです。

そこでラウンド・ナンバーより僅かに上のところに、
買い指値を入れた方が良いというのがマーフィーの主張です。

また損切りの逆指値を置きたい場合は、
ラウンド・ナンバーにストップ・オーダー(損切りの逆指値)を置くのではなく、
ラウンド・ナンバーを少し通り過ぎた処に、
ストップを置くべきだとマーフィーは主張しています。

今回も$1=100円にいろいろなトレーダーの思惑が集中しているため、
そこに達するとストップがトリガーされ、
瞬間的に荒っぽい展開になることも、無いとは言えません。

ただ達成感が出てしまうとモメンタムが萎えるケースもあることは、
上のゴールドの例からもわかります。

ラウンド・ナンバーが将来の「しこり」にならないか、
今後も注目していきます(^∀^)b